UEFI/BIOS設定画面の繰り返しでWindowsが起動しない
パソコンを起動させてもWindowsが起動せずUEFI/BIOSのセットアップ画面に切替わり停止する故障・トラブルもあります。
BIOS画面から抜け出せない症状
パソコンの電源を入れるとNECなどメーカーロゴ画面が表示されその後BIOS画面に切替わってWindowsが起動しない。
再起動しても再びBIOS画面が表示されを繰り返す。
電源を切って入れ直しても、またBIOS画面が現れる。
毎回BIOS画面がループして抜け出せずWindowsが起動しないと言うものです。
何故BIOSの画面が表示されるのか
正常なパソコンは電源を入れるとUEFI/BIOSが起動してPOST(Power On Self Test)処理が行われHDDやSSDを認識してブートデータを読み込みWindowsの起動を開始させます。
それがWindowsの起動に進まずBIOSの設定画面から抜け出せなくなってしまうと言う事は何らかの原因でHDDやSSDからブートできない為に発生していると言う事になります。
繰り返されるBIOS設定画面の例
BIOS画面が繰り返され抜け出せなくなる代表的なUEFI/BIOS画面としては
この2つです。
「Aptio Setup Utility」はAmerican Megatrends Inc(アメリカンメガトレンド・略してAMI)が設計・製造したUEFI/BIOSの設定画面です。
InsydeH20 Setup UtilityはInsyde Software社が設計・製造したUEFI/BIOSの設定画面です。
そもそもUEFIとは何ですか?
UEFIとは「Unified Extensible Firmware Interface」の頭文字を取って略した言葉で従来のBIOSの後継として作られたものです。
BIOSと同様コンピュータのハードウェアを制御してOSを起動するためのシステムです。
メーカーPCでは大体Windows8を境にUEFIに切替わりました。
現在発売しているWindows11やWindows10のパソコンはUEFI対応です。
従来のBIOSをレガシーBIOSと言い現行の規格をUEFI BIOSと言います。
これら含めて単にBIOSと言われたりします。
正常なパソコンは勝手に表示されない
BIOSの設定画面ではシステムの情報を確認したりハードウェアの構成を変更したりする事ができますが本来であれば勝手に表示されるものではなくパソコン起動時に「F2キー」などを入力して呼び出さなくては表示されない画面です。
このBIOS設定画面が勝手に表示され青と白の画面で止まってしまう。
問題なく使用していたのに突然発生する事もあれば、パソコンがフリーズした後の起動時に発生する場合もあります。
発生タイミングはまちまちです。
対象のパソコンメーカー
この起動時にUEFI/BIOSの設定画面になってしまう現象は「NEC LAVIE / VALUESTAR」「パナソニック / レッツノート」「ドスパラ
/ GALLERIA」「MSI / エムエスアイ」「ASUS / エイスース」「acer」などのノートパソコン・液晶一体型パソコン・デスクトップパソコンの一部の機種で発生する場合がございます。
対象OSは「Windows11」「Windows10」「Windows8.1/8」「Windows7」など
以下UEFI/BIOSの設定画面が表示されWindowsが起動しない原因や対処法やパソコン修理の事例などご説明致します。
UEFI/BIOS設定画面の繰り返しで起動できない原因
発生原因
UEFI/BIOSセットアップ画面が繰り返されるのは何らかの原因でHDD/SSDからWindowsがブート出来なかった為と言いましたが、その原因は一体何なのか。
それは何らかの異常が発生して
- UEFI/BIOSでHDDやSSDが認識していない
- HDDやSSDは認識しているがGPTを読み込めないあるいは見つからない
- ブートに関わるセクタが壊れて起動できない。
- マザーボード側の異常で起動デバイスを検出できない。
- NVRAMブートエントリー / Windows Boot Managerの異常
- UEFI/BIOSの設定やデバイスの起動優先順位
などの問題が原因でパソコンを起動してもBIOS設定画面に切替わりWindowsが起動できない状態になっていると想定されます。
UEFI/BIOS画面が繰り返されるのと類似するエラーメッセージ
同じ原因でもBIOS画面に切替わるのではなくエラーメッセージが表示されるパソコンもあります。
いくつかのブートエラーメッセージの例としては
- 「 No bootable device」
- 「 Insert system disk in drive 」
- 「 Reboot and Select proper Boot device」
- 「 BootDevice Not Found 」
- 「 Hard Disk - (3F0)」
- 「 Bootable device was not found」
- 「 起動可能なデバイスが見つかりませんでした 」
- 「 Windowsの起動に失敗しました」
- 「 Operating System Not Found」
などがあります。
これらも同じく起動・再起動してもループを繰り返しますがBIOS画面になるより具合的なエラーが表示されるので、まだ判りやすいです。
UEFI/BIOS設定画面が繰り返される場合の対処方法
UEFI/BIOSの設定画面が繰り返し表示されWindowsが起動しない場合、その原因がUEFI/BIOS側の問題なのかHDDやSSD側の問題なのか、HDDやSSD側の問題だとすれば物理的な(機械的な)故障なのか論理的な(データの)障害なのかと言う事になりますが、最も手っ取り早く確認する方法はHDD/SSDを診断する事です。
HDD/SSDの認識を確認する
まずはBIOSの設定画面でHDD/SSDの認識を確認します。
SATA Port0の赤枠で囲んだところがNot Presentと表示されています。
Not Presentは存在していないと言う意味でHDD/SSDが認識されていないと言う事です。
この為にパソコンを起動してもBIOS画面に切替わって止まってしまっている。
これは基本的にHDD/SSDの故障です。
BIOS設定の初期化などを試す
もし、ここにHDD/SSDの型番が表示されている場合はBIOSの起動優先順位を確認したりUEFI/BIOS設定の初期化・デフォルトロードでセーブからの再起動を試してみるのもよいでしょう。
しかし勝手にBIOSの設定が変わると言う事は一般的にございませんので効果は無い可能性が高いです。
もしこれでWindowsが起動できたとしても途中で起動が失敗したり動作が異常に遅い・重い場合は故障していますので使用を控えてご相談ください。
診断プログラムでHDD/SSDの検査
HDD/SSDが認識していてもBIOS画面に戻る場合はHDD/SSDを診断プログラムで検査します。
これでは全セクタをスキャンできるツールで不良セクタがないか、読み込みできないブロックがないかテストしたりSMART情報をチェックして異常がないか確認していきます。
「東芝 dynabook」「富士通 FMV」「パナソニック レッツノート」「DELL」「HP」「Lenovo」などのWindows11やWindows10のパソコンではUEFI/BIOSレベルでHDD/SSDの診断機能を有していますので検査してみるのは容易です。
検査が難しいパソコンもある
しかし直接aptio・AMIやInsydeH20のBIOS設定画面になってWindowsが起動できないパソコンではUEFI/BIOSレベルでHDD/SSDの診断機能を搭載していないパソコンが多いですので一般ユーザーでは検査する事は困難だと思います。
代表的なNEC LAVIEのパソコンです。
NEC LAVIEのパソコンではWindows11やWindows10以前に昔からメーカー専用の診断ツールがありません。
判断が困難な場合は
何か特別な操作をした後に発生したのか、それとも普通に使用していたのに突然発生したのか、それによって原因を疑う部分も変わってきます。
大まかには前者であればHDD/SSDの故障以外の問題。
後者であればHDD/SSDの故障を想定します。
BIOS画面ループから戻れなくなる直前の経緯を踏まえてお知らせいただければ判断する為の参考になりますし、詳細な情報が多ければ多いほど判断材料になります。
最善の修理を目指しますのでお気軽にご相談ください
HDD/SSDに機械的な異常・故障があるのかどうかで対処方法も変わってきます。
HDD/SSDの物理的な故障であればHDD/SSDを交換してからWindowsをインストールしてWindowsが起動・使用できるようパソコンを修理します。
HDD/SSDに異常が診られない場合はWindows修復などソフト的な処置やUEFI/BIOS設定の見直しなど状況により、それぞれの修理・修復で起動復旧を目指します。
論理的な問題で起動が復旧できない場合は既存のデータを消去してWindowsを入れ直すしかありません。
必要あればデータのバックアップ・ファイルの取り出しも承れます。
何れにしても最善の処置を目指しますのでお困りの際はお気軽にご相談ください。
UEFI/BIOS画面を繰り返すNEC LAVIEのHDD/SSD交換修理事例
今回修理するUEFI/BIOSの設定画面が繰り返し表示されWindowsが起動できないパソコンはNEC LAVIEのパソコンです。
PC-DA370FABと言う機種の液晶一体型のパソコンでWindows10プリインストールモデルです。
ストレージは標準で1TBのHDDが搭載されています。
修理前症状の確認
パソコンを起動してみると「Aptio Setup Utility」の画面が表示されWindows10が起動しません。
確認するとHDDが認識されていませんでした。
BIOSの設定画面が表示されるのはHDDの故障が原因です。
故障HDDを取り外して正常なHDDを取り付ける
パソコンを修理するにはHDDの交換が必要です。
修理する為にパソコンを分解して故障しているHDDを取り外していきます。
まず裏面のネジを外してカバーのツメを外してカバーを取り外します。
パソコン内部を見てみるとHDDが取り付けられている事が判ります。
SATAと電源の接続ケーブルを外してHDDマウント金具の固定ネジを外します。
これでパソコン内部からマウント金具ごとHDDを取り外す事ができます。
そこからHDDの固定ネジを取り外せばマウント金具とHDDに分離する事ができます。
今回交換するストレージ
今回は1TBのHDDで交換のご依頼をいただきましたので準備した新しいHDDを取り付けていきます。
尚、ここでSSDを取り付ける事も可能です。
SSDへ交換すればパソコンの起動や動作が非常に速くなります。
分解と逆の手順でパソコンを組み戻せばハード的な修理は完了です。
BIOSでHDDの認識を確認する
パソコンを起動させてHDDの認識を確認します。
ちなみに起動させると、また「Aptio Setup Utility」のBIOS画面が表示されます。
BIOS画面のループが直っていないんじゃないかと思うかもしれませんが、まだWindowsがインストールされていない為です。
Windows10のインストール作業
続いてソフトの修理です。
今回はWindows10のクリーンインストールをご希望されましたのでWindows10をインストールしていきます。
尚、Windows11プリインストールモデルのパソコンやアップグレードなどWindows11で使用されているパソコンはWindows11のクリーンインストールで対応する事もできます。
セットアップが完了してWindowsの起動が確認できたらライセンス認証・確認を行います。
その後デバイスマネージャーで未認識デバイスを確認して認識していないドライバをセットアップしていきます。
ドライバのセットアップが完了したら再起動・シャットダウン・起動・スリープ・スリープ復帰の動作を確認して問題なければ修理完了です。
HDD/SSDの故障でBIOS画面になるパソコンの修理はお任せください
当店ではHDD/SSDが故障してWindowsが起動できないパソコンの修理・HDD/SSD交換修理をメーカー修理より格安にて行っております。
起動してもBIOS画面の表示を繰り返すパソコンはHDD/SSDが壊れている疑いがあります。
検査して異常を確認してから交換作業を行いますので安心です。
ノートパソコン・デスクトップパソコンや液晶一体型パソコンの修理は是非ハードディスク交換サービスをご検討ください。
データ復旧サービスでファイルの取り出しも対応
もし大切なファイルがある場合、当店ではHDDやSSDが故障したパソコンから必要なデータを取り出すデータ復旧サービスを行っております。
データ復旧サービスでファイルの取り出しのみを承る事もできますしパソコン修理(HDD/SSD交換)と同時に承る場合はより安価に対応する事ができます。
UEFI/BIOSでHDDやSSDが認識しなかったり反応しない状態だと一番重症な重度の物理障害となる為、データの取り出しが難しくなりますが実際に診てみない限りデータを救出できる可能性はございます。
悪化すればするほど難しくなりますのでご希望の場合はむやみに動作させないでご相談ください。