不良セクタは故障 ハードディスクの不良セクタ 修理の必要性
不良セクタとはハードディスクのセクタに不良・不具合がありアクセスできない障害・故障です。
ハードディスクの記憶面にはセクタと言うデータを読み書きする個々のブロックがあります。
正常なセクタが不良セクタになると言うのはセクタ内データが不良・ブロックが不良になってしまうのと同じです。
ハードディスクのセクタに不良セクタが出来てしまうとパソコンの動作が遅くなったりWindowsの起動に失敗したりなど不良セクタが発生する事により様々な問題が発生します。
これらが不良セクタによるパソコンの故障なのであれば不良セクタに対して修理が必要です。
HDDのSMART値の不良セクタ情報を確認したりセクタの全体スキャンをかけてハードディスクの中に不良セクタが存在する場合は問題ですが、そのまま不良セクタを修復したり修理できるのか疑問に思っている方もいらっしゃると思います。
極論簡単に言ってしまえば不良セクタはハードディスクの故障なので不良セクタがあるハードディスクは交換してパソコンを修理すれば解決と言う事になりますが、以下不良セクタとは一体何なのか不良セクタの修理・修復の考え方、ハードディスクとセクタ・不良セクタの関係を記します。
不良セクタの主な発生源
不良セクタの主な発生要因はプラッタの一部の磁性体の劣化やヘッドの劣化などで、そのセクタの一部データが読み込み書き込みなどが出来なくなると言うセクタの障害です。
このような不良セクタをバッドセクタなどとも言われます。
要は各セクタの中で悪くなっているセクタ・ダメになっているセクタが不良セクタです。
不良セクタはプラッタ表面の情報が記憶されている各セクタの磁気ブロックが壊れると言うものです。
経年劣化でも不良セクタは発生しますしヘッドの障害によるキズ・衝撃・振動などでも不良セクタは発生します。
またデータ読み書き中のシーク動作に不具合があったり突然のパソコンの電源を切るなど外的要因でも不良セクタが発生する可能性もあります。
不良セクタと言ってもハードディスク全体の故障ではありません。
ハードディスクの不良セクタって何?セクタとは
セクタとは1回に読み込み書き込みできるデータの最小単位です。
HDDは通常1つのセクタで512バイトのデータが記憶できます。
このセクタがNTFSやFAT32などにフォーマットされる事によりセクタを複数個にまとめクラスタ化されWindows上でデータの読み書きができるようになります。
現在ではAFTと言われる形式のHDDも登場しておりセクタの記憶面を拡張させ1つのセクタで4096バイトものデータを読み書きできるようになっています。
この個々のセクタに対してデータの読み書きが出来なくなってしまったブロックが異常であり不良セクタと言う事になります。
不良セクタを補完する代替セクタ
ハードディスクにはセクタに対するメンテナンス機能が搭載されており不良なセクタを正常なセクタに交換してくれる機能があります。
代替セクタです。
尚、通常は見る事ができませんが欠陥がある不良セクタは予備のセクタに代替されリストにセクタ情報が記録されます。
これがGrown Defect List通称Gリストです。
ちなみに工場出荷される前に見つかった欠陥セクタは別なリストに記録され全て正常なセクタでデータが読み書きできる状態でハードディスクが出荷されます。
メーカー側で見つかった異常・不良セクタのリストがPrimary Defect List通称Pリストです。
出荷される前に見つかる欠陥セクタはハードディスクの製造段階のものですので問題ありませんがハードディスクを使用している過程で生まれてしまった欠陥・不良セクタは問題です。
何故パソコン使用時に発生したハードディスクの不良セクタは問題なのか
この不良セクタはセクタの劣化や損傷だからです。
不良セクタはハードディスクの一部分の故障・不具合ですが時には不良セクタがある事で致命的な問題が発生する場合もあります。
僅か1つの不良セクタでも当たり所が悪ければwindowsが起動出来なくなってしまう事もあるのです。
何も特別な事はしていないのに突然
- windowsが起動できない
- 動作が突然異常に遅くなった
- SMARTエラーが表示されて止まる
- ハードディスクの問題が検出されました等のエラーウインドウが表示される
- 「送り側のファイルまたはディスクから読み取れません」のエラー
- 予期しないエラーのため、ファイルをコピーできません。
- エラー 0x8007045D: I/Oデバイスエラーが発生したため、要求を実行できませんでした。
このような症状のパソコンはハードディスクに不良セクタが存在する、あるいは不良セクタが発生している疑いがあります。
不良セクタの確認方法
実際に問題があるブロックがあるかどうかは全体のセクタをスキャンしないと判りません。
例えば500GBのHDDであれば通常976,773,168個ものセクタがあるのです。
10億個近く個々のブロックがあります。
不良セクタがあるハードディスクの場合はそのどこかに異常なセクタが紛れ込んでいると言う事になります。
とても1つ1つセクタデータをダンプして確認できるレベルではありません。
通常不良セクタを確認する場合はHDDの診断ツールを使用してセクタの応答をチェックします。
ハードディスクのSMART値で不良セクタを確認する場合
不良セクタはセクタ全体の応答を確認すれば判りますが、全部検査すると時間がかかります。
完全なものではありませんが容易に確認する方法としてハードディスクのSMART値を確認する方法があります。
SMART値は一般のユーザーでもアプリを使用して見る事ができます。
windowsが稼動できる状態であれば代表的なソフトはCrystalDiskInfoです。
このソフトを使用してSMART値を見る事ができます。
値には
- 代替処理済のセクタ数
- 代替処理保留中のセクタ数
- 回復不可能セクタ数
などがあります。
代替処理済のセクタ数は実際に不良セクタがあり正常なセクタに代替された数です。
代替処理保留中のセクタ数は不良セクタが正常なセクタに代替処理してくれるのを待っているセクタ数です。
回復不可能のセクタ数は正常なセクタに交換できない不良セクタの数です。
このようにSMART値ではデータを収納するセクタに対して不良セクタと検知しているものに関してはセクタ数としてSMARTへ記録されるようになっています。
SMART値は不良セクタやハードディスク故障有無の判断材料の一つ
SMART機能は完全ではありません。
時にはwindowsが起動出来なくなってしまったパソコンのハードディスクでSMART値の不良セクタ関連のセクタ数が全く問題ない場合でも実際にセクタをスキャンをすると不良セクタが大量と言う事もあります。
SMART値はあくまで現在のハードディスクが故障しているかを確認するための参考情報の一つとして活用するべきです。
尚、本来正常なハードディスクの場合は不良セクタがありませんし全セクタ問題なく応答がとれます。
ですので不良セクタ関連の現在値や最悪値は減りませんし生値は増えません。
代替処理済のセクタ数が増える場合は既にハードディスクが故障している場合がある
例えば代替処理済のセクタ数が1つとか数個など僅かなセクタだけなのであれば以降はパソコンを使用しても不良セクタは増えない可能性があります。
数個の不良セクタのみで正常なセクタに交換されて以降は不良セクタが増えないと言う事であれば以降もある程度安心してハードディスクを使用する事ができるでしょう。
しかし代替処理済のセクタ数が何百個とか何千個と処理済みになっていたり使用すればするほど不良セクタが発生して代替処理済セクタ数も多くなるハードディスクは例えSMART値の閾値を下回っていない場合でも使用するべきではありません。
CrystalDiskInfoでハードでディスクの健康状態が注意となっている場合でも既にハードディスクが故障しているとお考えください。
たとえその時点で全ブロックにアクセスできる状態であったとしても正常ではないと考えるべきです。
異常発生初期の段階であれば問題なくコピーして部品を交換し今までと変わらない状態で使用し続ける事ができます。
データを維持したまま何とかしたい場合、早めの処置が肝心なのです。
ハードディスクの故障や不良セクタ有無の判断方法
SMART値に異常がなくてもハードディスクの表面スキャンで読めないブロックやデータ応答異常遅延など不良なセクタが診られる場合は異常。
SMART値の代替処理済みセクタが発生している場合でもスキャンで異常が診られない場合はその時点でとりあえず正常と判断します。
読み込めない領域が広がり増え続ければ代替済みの数も増えて続け閾値も下回りSMARTエラーとなります。
そのころには不良ブロックが多数出ているかデータが読み込めたとしてもアクセスの異常遅延が多数発生していることでしょう。
そうなればシステムファイルが壊れwindowsが起動できない状態になってしまったり起動が異常に遅い立ち上がった後も異常に遅い・パソコンがフリーズしたりアプリのウインドウなどが応答なしになるなどの状態になってしまう事でしょう。
不良セクタがあるハードディスクで安心してパソコンを使用できますか?
たとえ全セクタのデータ読込みが出来て異常遅延もみられない状態でも代替処理が多くあるハードディスクで大事なデータを保存したまま安心してパソコンを使用する事ができますでしょうか?
まだwindowsが普通に動作していてもハードディスクの交換をお勧めいたします。
不良セクタがあってもハードディスク交換時にデータを残したまま修理できる場合も有り
不良セクタやデータの読み込み異常遅延などが発生している状態でもデータを残したままハードディスクを交換して修理できる場合もございます。
希望される場合は異常に気がついた以降動作させないようお勧め致します。
故障したハードディスクは負荷をかければかけるほどドンドン悪化していきます。
取替えご検討のお客様は是非当店のハードディスク交換サービスをご利用ください。
セクタ障害が多発の時はデータ復旧サービスでファイル救出
データが読み込めなくなりまともにバックアップできない場合やwindowsが起動しなくなってしまったパソコンでも必要なファイルを復旧・救出できる可能性がございます。
診断で救出可能な場合ハードディスクの中に入っているデジカメで撮った写真・画像ファイル・個人で作成したワード・エクセルなどのユーザーファイル・映像・動画ファイルなど必要なデータを復旧出来る限り救出致します。
障害のあるストレージは動かせば動かすほど状態は悪化して救出できるものも出来なくなってしまいますので異常セクタの多発で復旧を希望される場合は以後通電されないようお願いします。
内蔵・外付け問わずファイルの取出しはケーズファクトリーへお任せください。