チェックディスクで故障したハードディスクを修復できるの?
チェックディスク(CHKDSK)とはパソコンのハードディスクをチェックしてファイルシステムに問題がないかチェックしたりドライブのエラーをチェックして修復する事ができるプログラム・ツールです。
チェックディスクはWindows2000以降のOS標準の機能として搭載されています。
Windows 7やWindows10でもチェックディスクを行うことができます。
また内蔵ハードディスクに限らずチェックディスクは記憶ストレージ全般でを行う事ができます。
USBメモリや外付けHDDなどでもチェックディスクが可能です。
Windows98などそれ以前のOSの場合で同様の機能にスキャンディスクがあります。
- スキャンディスクとは
このチェックディスクでハードディスクを修理・修復できるのか疑問に思っている方も居られるかもしれません。
簡単に言いますとチェックディスクは一部の論理的なデータの整合性をチェックしたり修復を試みたりするもので機械的に故障したハードディスクをチェックディスクで修理する事はできません。
ハードディスクが故障したパソコンを修理する場合はハードディスク交換修理です。
以下チェックディスクの考え方や方法や注意点などをご案内致します。
チェックディスクはハードディスクを修理するものではない
チェックディスクはハードディスクそのもののエラーをチェックしたり物理的に不具合がある領域を回復させるものではございません。
データが読み書きできない不良セクタそのものをチェックディスクで修理したり応答異常遅延があるセクタをチェックディスクで正常なセクタに修復すると言うものではないのです。
よってチェックディスクは物理的に故障したハードディスクを修理・修復するための修復ツールではございません。
またチェックディスクはハードディスクが故障しているか確認するためのチェックツールでもありません。
チェックディスクはファイルシステムを検査・修復するもの
チェックディスクは論理的にソフトウェア的に問題ないかチェックしたり修復をするものでディスク構造・ファイルやフォルダ・ディレクトリ構造的に欠陥や不具合はないか、ファイルシステムの整合性に問題はないかチェックしたり修復したりするためのプログラムです。
チェックディスクはwindows上から行えますがコマンドプロントからチェックディスクを行う事もできます。
Cドライブであるwindowsが起動しなくなった場合にもコマンドプロントからchkdskのコマンドを入れてチェックを行う事ができるのです。
チェックディスクでデータが消える場合もある
このチェックディスクは万能ではありません。
ハードディスクの状態によって時にはチェックディスクをしてデータを余計に壊してしまう事があるのです。
チェックディスクで修復をかけた挙句に回復せず更にデータを破損させてしまう。
本末転倒です。
Windowsは動作するが何かパソコンの動作に不具合がありチェックディスクで修復を試してみようかと思った場合は、チェックディスクをする前に別ドライブに大切なデータをコピーするなりHDD丸ごとのデータイメージを作るなりして必ずデータのバックアップを取った方が良いでしょう。
チェックディスクを実行した挙句に物理的な損傷があり悪化して進めなくなったりファイルシステムに修復しきれないほどの重大な欠陥があったりしてチェックディスクをしたらwindowsが起動しなくなってしまったなんて事にならないよう最低限の準備をしてからチェックディスクで修復を試されるようお勧め致します。
チェックディスクはデータを回復させるものではない
もし何らかのトラブルでwindowsが起動しなくなったパソコンで修理しようとチェックディスクを試される場合も同様です。
チェックディスクで修復を試みる事によりデータが消えて余計に酷い状態になる可能性もあります。
チェックディスクは大事なデータを復旧・回復させる目的で行うものではございません。
もしチェックディスクを試してみるにしても一旦大切なファイルなり保存フォルダなりデータを取り出してから試しあとはチェックディスクで修復に成功しても修復に失敗してデータが更に壊れたとしても後でどうにもでも出来るような準備をしてからチェックディスクを実行されるようおすすめ致します。
もしデータの取り出しが困難な場合は当店のデータ復旧サービスにて大切なファイルの救出・データ救出作業を行っております。
お困りの際は是非お気軽にご相談ください。
Windows上でチェックディスクを行う方法
windows7上でチェックディスクを行う場合はコンピューターを開きハードディスクドライブのところのチェックしたいドライブのカーソルを合わせて右クリックして表示された一覧の中にプロパティと言う項目がありますのでそこにカーソルを合わせて左クリックしてドライブのプロパティを開きます。
CドライブでチェックしたいのであればCドライブのプロパティを開くと言う事です。
開いたウインドウの中にツールと言うタブがあります。
そちらを左クリックしてタブを切り替えるとエラーチェック・最適化・バックアップと言う3つの枠の項目が出てくると思います。
その中のエラーチェックの枠このオプションはドライブのエラーをチェックします。と表示されている部分の枠がチェックディスクの部分です。
チェックするのボタンを左クリックするとディスクのチェックと言う小さいウインドウが表示されます。
Windows10上でチェックディスクを行う場合はPCをクリックして開きデバイスとドライブからチェックしたいドライブを選択しドライブのプロパティを開いてからあとの場所はWindows7のチェックディスクとほぼ同じです。
PCが見つからない場合はエクスプローラーから開いていっても良いでしょう。
尚、エラーチェックの場所は同じなのですがwindows10の場合、検査方法は異なります。
検査のみのチェックディスク
チェックディスクのオプションと言う枠にはファイルシステムエラーを自動的に修復すると言う部分と不良セクターをスキャンし、回復すると言う項目があります。
何もチェックをしないで開始をクリックすると単なる検査のみのチェックディスクです。
チェックディスクで問題がない場合はディスクに問題は検出されませんでしたと表示されますし問題がある場合は問題があると表示されるだけで修復はしません。
検査と修復のチェックディスク
ファイルシステムエラーを自動的に修復するにチェックを入れてチェックディスクを開始した場合はファイルシステムに問題があった場合に自動的に修復するモードです。
チェックディスクで問題があった場合にファイルレコードやインデックスなどの修正を行います。
検査+修復と言うモードです。
Cドライブでチェックディスクする場合は開始を押すと「ディスク使用中にそのディスクを検査できません」「次回コンピューター起動時にハードディスクのエラーを検査しますか?」というメッセージが表示されます。ディスク検査のスケジュールを左クリックしてWindowsを再起動させるとWindows起動時にチェックディスクが起動し検査を始める事ができます。
修復を含んだチェックディスクは余計にデータが壊れる場合もある
このモードでチェックディスクを行う場合ハードディスクの状態によっては本来存在していたファイルがチェックディスクで勝手にそぎ落とされてしまう場合があります。
FOUND.000などのフォルダに収納されFILE0000.CHKなどの判らないファイルに化けてしまうのです。
状態によってはチェックディスクで大量のCHKファイルが出来てしまいますしwindows起動に関わる重要なデータがこの不明フォルダの欠落ファイルとして移ってしまったらチェックディスク後にwindowsが起動しなくなってしまうと言う事もありうるのです。
チェックディスクがいつまでも終わらない場合はHDD故障の可能性大
いつまで経ってもチェックディスクの検査が終わらない修復が終わらないと言う場合はハードディスクの故障である可能性が高いです。
チェックディスク中に不良セクタなどに当たってチェックディスクの検査や修復が進めないあるいはまともに進めなくなっている可能性が考えられます。
ハードディスクが故障している場合はチェックディスクしても何も問題は解決しません。
チェックディスクで余計な負荷をかけた挙句に状態を悪化させるだけです。
時にはチェックディスクで瀕死の状態からトドメを刺してしまう場合もあるでしょう。
チェックディスクは物理的に壊れているハードディスクを修理するものではないのでパソコンを修理する場合はハードディスクの交換が必要です。
尚、windows起動時にSMARTエラーが表示されるがスキップさせるとwindowsが起動し使用できるパソコンやwindows起動後にハードディスクの問題が検出されましたと表示されるパソコンなどは故障ですのでチェックディスクで修復を試みようとしても何も意味がありません。
物理的な問題にはチェックディスクをやっても無駄なのです。
当店ではハードディスク故障のパソコン修理であるハードディスク交換修理をメーカーより格安料金にて行っております。
お困りの際は是非お気軽にご相談ください。
チェックディスクの不良セクターをスキャンし回復するの意味
不良セクターをスキャンし、回復するのチェックボックスにチェックしてからチェックディスクを開始させると通常の検査の他に全セクタ・クラスタをスキャンして不良セクターがあるかないか検査します。
尚、ここで言う不良セクターはハードディスクの実際のセクタの意味ではございません。
クラスタ上の個々のセクターと言うか論理的なセクターと言うか簡単に言えばクラスタの事を言っています。
実際にチェックディスクで存在する不良セクタが回復するものではありません。
まぎらわしい表示です。
チェックディスクを神ツールのように勘違いする方もいるかもしれません。
まぁチェックディスクで不良セクタが直っちゃうなら私も驚きますけどね。
前にも記載しましたがチェックディスクは物理的にハードディスクを修理するものではありません。
チェックディスクで実際に不良セクタが回復するわけではない
ではチェックディスク時に不良セクターをスキャンし、回復すると言うのは何の意味があるのか。
クラスタ上に読めないセクタがある場合に他に読めるデータがある場合は別クラスタに移動させ問題のあるクラスタを放棄させ使わないようにマーキングするものです。
1クラスタの全てのセクタでデータの読込みができない場合はもう読み込めませんのでそのまま放棄すると言う事になります。
問題のクラスタがある場所をマーキングする事により以降その場所にデータアクセスしないよう処置するものです。
実際に故障している不良セクタを修理したり回復させたりするものではありません。
単に悪い部分を見えないように目隠ししただけにすぎませんのでこれで回復と言って良いのか判りませんがファイルシステム的にはその時点で全クラスタ応答がとれると言う事になりますので回復と言えば回復なのかもしれません。
不良セクタあるハードディスク
しかし不良セクタがあるハードディスクを使用する事はおすすめしません。
本来正常なハードディスクには不良セクタはありません。
当たり所が悪ければたとえ1つの不良セクタでさえwindowsが起動できなくなってしまう事もあるのです。
不良セクタのスキャンを含むチェックディスクは時間がかかります
この不良セクターをスキャンし、回復するの修復オプションは完了するまでとても時間がかかります。
スキャンするドライブの容量が大きければ大きいほど時間がもの凄くかかってしまいます。
CドライブなりDドライブなりそのドライブ内のセクタを全部スキャンするようなものです。
場合により何時間も何十時間もかかる事でしょう。
ハードディスクの負荷・負担も増大です。
もう一度不良セクタ検査込みのチェックディスクしたら不良セクター不良クラスターは更に増えているかもしれません。
物理的に異常があるハードディスクは一般的に動かせば動かすほどどんどん悪化していくものです。
チェックディスクによる不良セクタのスキャン 回復?隠す意味があるのか?
私はこの不良セクターをスキャンし、回復すると言う修復オプションはあまり意味がないと思います。
ハードディスク自体に問題があるかどうか検査したい場合はもっと明確なハードディスクの診断ツールを使用すれば良いですしソフトウェア的に検査するのであればスキャンディスクで検査のみあるいはファイルシステムエラーを自動的に修復するのオプション込みで実行するぐらいで十分かと思います。
ハードディスクの故障
もう不良セクター不良クラスターがあるハードディスクは故障しているのですから自動的に代替セクタ処理にもならないようなハードディスクを一番重要なwindowsが入っているCドライブとして使用するのはいかがなものかと思います。
不良セクタが増えてないか、いきなり完全に壊れないかなど不安なままパソコンを使用するぐらいであれば新しいハードディスクに交換するのが良いでしょう。
そして元々のハードディスクをまだ使用したいのであれば外付けHDDケースなどに組み込んで通常フォーマットで不良セクタ・不良クラスタ部分をマーキングして除外し万が一データが消えてもかまわないようなあまり重要ではないデータの保存用などに利用し余生を謳歌するのがよいでしょう。
Windows10のチェックディスク
windows10の場合はWindows7などとエラーチェックの場所は同じですがチェックボタンをクリックするとスキャンする前にまずドライブにエラーが検出されているのかチェックが入ります。
問題ない場合はこのドライブをスキャンする必要はありませんと表示されます。
それでもチェックディスクを行いたい場合はドライブのスキャンと修復をクリックします。
これがチェックディスクです。
クリックする事により突如開始されます。
windows10は7と異なりディスクチェックオプションがありません。
スキャンが正常に完了し問題が診られない場合は「お使いのドライブは正常にスキャンされました」「ドライブのスキャンが正常に完了し、エラーは検出されませんでした。」と表示されます。
尚、windows8もwindows10と殆ど同様です。
コマンドプロントによるCHKDSK
コマンドプロントにてCHKDSKのコマンドを実行する事によりチェックディスクを行う事ができます。
コマンドプロント上で行えると言う事はWindowsが起動できない状態でもチェックディスクが実施できると言う事です。
- コマンドプロントのCHKDSKについて
Windows上で実施されるチェックディスクはコマンドのCHKDSKをGUIを介して行っているようなものです。
関連情報