キーボードの仕組みなど
パソコンのキーボード(keyboard)とは入力装置の一つでキーを押す事により文字信号などをパソコンへ送信できるものです。
文字入力をするのにキーボードはかかせません。
キーボードとはキーのボードです。
キー(key)とは鍵です。
鍵は施錠する(かぎ)のイメージが強いですがパソコンの鍵はキーボード上の一つ一つのボタンの事を意味したりします。
文字や記号が印字されている部分で指で押す部分がキー(鍵)です。
ボード(board)とは板とか盤と言う意味があります。
文字や数字などが入力できる板・盤、それがキーボードです。
なので漢字で表すと鍵盤(けんばん)と言います。
ピアノやオルガンでもキーボードと言ったり鍵盤と言いますがパソコンのキーボードと同じです。
多数の鍵(キー)が一面に並べられた部分の事を言います。
併用して使用する入力装置としてはマウス・ノートパソコンであればタッチパッドがあります。
通常はキーボードとマウス・タッチパッドを使用してWindowsを操作します。
言語
日本で使用するキーボードには主に日本語と英語があります。
日本語は文字キーに平仮名とアルファベットが印字されているキーボードです。
英語は文字キーにアルファベットしか印字されていません。
日本語はJIS配列、英語のみはUS配列と言い記号の配列などが若干異なります。
NEC Lavie・SONY VAIO・東芝dynabook・富士通FMV・パナソニックレッツノート・HP・DELLなどメーカーのノートパソコンでは日本で購入する場合、基本的にJIS配列のキーボードが搭載されていますがメーカー・機種によっては最初から英語へカスタマイズできる機種もあります。
キー配列
日本語キーボードにはJIS配列準拠が殆どです。
「84キー」「85キー」「87キー」「89キー」「90キー」「91キー」「92キー」「105キー」「106キー」「108キー」「109キー」「109Aキー」「110キー」などこれらは日本語のJIS配列に準拠した一部です。
この数字は基本的にキーの数です。
キーボードにこれだけの数のキーがあると言う事です。
キーのタイプによりキー配列も様々です。
昔のノートパソコンにはテンキーが付いていないキーボードが殆どです。
キーの数が少ない場合はテンキーなしです。
92キーにはテンキーがありませんが105キーにはテンキーがあります。
テンキー付きはフルキーボードなどとも言われます。
ノートパソコンの液晶パネルがワイドタイプになった頃からかテンキー付きが増えた印象があります。
あとモバイル系の小型ノートPCの場合は筐体が小さい分キーも少ない傾向にあります。
構造により搭載されるキーボードも様々キー配列も様々です。
デスクトップなどで使う外付け日本語の標準は106キーボードと言われていますが最近のノートは105キーボードが多い印象があります。
構造
キーボードは構造も色々あります。
一般的な構造で外付けなどで使用される「メンブレンスイッチ方式」
メンブレンのキーボードには薄い膜が入っていてスイッチを押すと膜同士が接触して接点が入ると言うものです。
あと電車のパンタグラフと似た構造をしている薄型のキーボードである「パンタグラフ方式」
パンタグラフ方式は主にノートパソコンに採用されています。
パンタグラフ方式と言ってもメンブレンな構造で同じなのですが薄いか分厚いキーボードかでバッファローやエレコムなどサードパーティメーカーではメンブレンとパンタグラフと言う文字を使い区分けしているようです。
その他には一つ一つキーのスイッチが独立している「メカニカル方式」
静電容量の変化でスイッチが入り接点が非接触タイプである「静電容量無接点方式」などがあります。
メンブレン方式
基本的には3枚のシートで構成されており2枚の接点シートの間に穴のあいた絶縁シートを挟み、キーを押すとスイッチONで接点が触れ合う仕組みになっています。
メンブレン式としっても内部の膜がそう言う方式なだけであって接点を押し戻す部分はラバードーム(シリコンキャップ)のみであったりパンタグラフ+ラバードームであったりバックリングスプリングであったり様々です。
メンブレン方式とパンタグラフ方式を別々に分けているメーカーのページとかあるのですが??文字的に考えると意味が判りません。
恐らくデスクトップなので一般的に使うキーボードのようにラバードームやバックリングスプリングでキーを入れるタイプでキーを押す部分が分厚いキーとパンタグラフ方式のように薄いタイプを区分けしたいのかもしれません。
パンタグラフ方式
パンタグラフ方式のキーボードだってメンブレンの接点シートが入っています。
パンタグラフと言うのは電車のパンタグラフのような構造をしているキーを押すキートップ裏の構造の部分であり接点部分の構造ではありません。
ですので区分けするとしたらラバードーム(シリコンキャップ)とかパンタグラフ+ラバードームとかバックリングスプリングとかキーを押し戻す構造部分です。
パンタグラフ方式はノートタイプに多く採用されています。
ノートタイプのキーが壊れたらメンブレンの接点シートが入っているパンタグラフ方式のキーボードが故障したと言う事です。
ちなみに勝手にキーが入力される故障の場合は、メンブレンの接点シートがキーを押さずに触れ合って接点が入ってしまう故障の可能性が高いです。
一部のキーが効かない故障の場合はメンブレンの接点シートのどこかのパターンが切れている為にキーを押しても接点が入らない故障である可能性が高いです。
あとキートップはパンタグラフにはめ込まれてパンタグラフが盤側に取り付けられます。
パンタグラフのツメが破損すればキートップが外れるあるいはキートップが付いたままパンタグラフごと外れると言う故障になります。
ノートタイプのキーボードにおける主な故障はこの3パターンです。
修理する場合
のページで述べているどおりボード自身は直せない部分と直せる場合がありますが直せる部分でも必ず治る保証もなく修復出来たとしても手間が多すぎて丸ごと交換より費用が高くなってしまいます。
よって改善させる場合は交換。
別の正常な部品に取り替えて直すと言う事です。
メカニカルスイッチ方式
キーの数だけ個々のキースイッチを内蔵するキーボードです。
一般的ではない為、とても高価です。
キーが故障した時はスイッチを交換できるなどの利点があります。
モーメンタリスイッチなんでバネや接点などが劣化するとチャタリングが心配です。
静電容量無接点
キーを押した時の静電容量の変化で入力を検知する方式です。
物理的な接点が無いため耐久性に優れます。
しかしメカニカルスイッチ方式より更に高価です。
一般的に使うのは
一般的なキーボードは通常のメンブレン方式かパンタグラフタイプのメンブレン方式です。
デスクトップや液晶一体型パソコンなどで使用されるのが通常のメンブレン方式。
ノートタイプで使用されるのがパンタグラフタイプのメンブレンなボードです。
デスクトップや液晶一体型のキーボードは一般的に壊れたら別なものに買い直せば良いだけなので当店の修理で扱うのはノートタイプのみです。
ワイヤレス
メーカーの液晶一体型パソコンで付属するキーボードはワイヤレスタイプが多いです。
マウスも同様にワイヤレスが多いです。
ワイヤレスの規格は、無線2.4GHzとBluetoothが主です。
メーカーに付属してくるキーボードは無線2.4GHzです。
なぜ無線2.4GHzタイプなのか。
BluetoothのキーボードはOSが立ち上がった後に使用できる為、BIOSの設定画面にも入れずWindowsのインストール時にも使用できないからです。
Bluetoothはwindowsが起動した後であれば他と同じように使えるのですがそこが問題点です。
無線2.4GHzタイプであればBIOSの設定画面にも入れますしWindowsのインストール時にもキー入力ができます。
無線2.4GHzタイプには親機と子機、キー送信側と受信側であるUSB接続のレシーバがあります。
無線であってもUSBの有線キーボードで接続しているようなものです。
ですのでUSBの有線で出来る事は無線2.4GHzタイプでも出来る。
なのでwindows以前にBIOS・UEFIの設定画面にも入り込めるのです。
尚、液晶一体型に受信側のレシーバが見えないので受信機なんでないじゃないかと思われる方もいるかもしれませんがレシーバはパソコン内部に内蔵されています。
パソコンのタイプによる違い
デスクトップは有線。
液晶一体型は無線が多いです。
ノートタイプは専用設計の内蔵キーボードです。
外付けの有線や無線タイプも使用はできます。
しかし外付けで操作するのであれば何の為のノートかと言う事になります。
ですのでノートの場合で内蔵キーボードが壊れた場合は修理するわけです。
デスクトップに関しては昔はPS/2コネクタが主流でした。
今はUSB接続が主流です。
仕様
メーカーのノートパソコンの仕様書を見るとキーボードの部分に105キーなどJIS配列仕様とかテンキー付きかどうかなどの他にキーストロークやキーピッチなどの寸法も記載されているのが殆どです。
キーストロークとかキーピッチなどはあまり気にする方はいないかと思いますがどのようなものか記載しておきます。
キーピッチ
キーピッチとはキーとキーとの間、横幅の間隔のことです。キーの芯・中央から隣のキーの芯・中央までの長さ意味します。
芯芯の幅が19mmだったらキーピッチは19mmと言う事です。
キーストローク
キーストロークとはキーボードのキーを押した時のキートップが沈み込む深さを意味します。
キーを押した時に2mm沈むのであればキーストロークは2mmと言う事です。
色々なキー
シフトキーを押しながらキーを押すと異なるキーが入力される場合もありますしファンクションキーだけ押す場合とFnキーを押しながらファンクションキーを押す場合で異なるキーが入力される部分もあります。
キー数が少なくても色々なキーの組み合わせで異なるキー反応を入れる事もできるのです。
「Esc」「全角/半角」「Tab」「Caps Lock」「Shift」「Ctrl」「Fn」「Windowsキー」「Alt」「無変換」「スペース」「前候補 変換(次候補)全候補」「カタカナ・ひらがな・ローマ字」「アプリケーションキー」「Enter」「矢印キー」「BackSpace」「Del」「Ins」「Pause Break」「PrtSc SysRq」「F1からF12」「Home」「Pg Up」「Pg Dn」「End」「NumLock」「0〜9キー」「A〜Zキー」「テンキー」「幾つかの記号キー」など。
これらのキーを使用して文字を入力したりwindowsを操作したりするわけです。
この一部のキーや一部の列など一部あるいは複数のキーが効かなくなってしまった場合はマトリクス回路のパターン断裂で故障となるわけです。